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花水木(今野敏)

東京湾臨海署安積班というサブタイトルのとおり、安積班シリーズ。5編が収録された短編集。
異色なのは3編目の「薔薇の色」。新橋のバーで、安積・速水・村雨・須田が飲んでいる。そして速水の発案で、薔薇の色の意味を当てる推理ゲームとなる。酒をテーマにしつつ個々のキャラクターも十分活かされている。事件はないが推理はあって、初出がサントリーの季刊誌というのに大いに納得。媒体にぴったりの作品だったわけだ。
異色といえば書き下ろしの「月齢」もちょっと変わっている。不快指数が高く妙な事件も起こる中、狼男の目撃情報が寄せられる。通報のたびに右往左往する警察。須田の指摘で安積は騒ぎを終わらせたいと決意する。
街について思うところを書かれている箇所が2回くらい出てくる。それぞれ初出が違うのだろうが一冊の本に二度出てくると強い主張に感じる。確かにお台場に街はない。香港や江戸やヨーロッパの街並みを模したところがあるとしても。別の箇所では珍しくはっきりと大江戸温泉物語やビーナスフォートの固有名詞を出していた。それと分かるように書いていても名前はあまり出していなかったと思うが。

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