暴雪圏(佐々木譲)
帯に「超弩級の警察小説」とあるが、これは警察小説とは呼べない。著者のやはり道警を描いた「うたう警官」のシリーズや親子三代警視庁警察官の「警官の血」はまごうことなき警察小説だが、この制服捜査のシリーズはちょっと違う。むしろ保安官ものと分類できるだろう。大沢在昌の「パンドラ・アイランド」と似た系統ともいえる。
ストーリー自体はリーダビリティ抜群でかなり読ませる。巨大な密室ものといえなくもないが、別にトリックはないし、駐在警官が探偵役になるわけでもない。爆弾低気圧に覆われて交通が遮断した十勝地方で、訳ありの人物たちがひとつのペンションに集まって、という展開。その集まっていくまでの過程が詳細に描かれる。ただ最後のほうは吹雪の収まり同様少しあっけない。もっと引っ張ることもできただろうに。
舞台の志茂別周辺の道路がかなり詳細に書かれているが、帯広の南部にそういう地名は見当たらない。モデルとなる場所もありそうだが、地図と突き合わせてまで読んでいないので特定はできなかった。国道の橋というのがポイントになりそう。
北海道を舞台にした作品を多く書いている著者ならではの作品。
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